第13回『心に咲く花』 人生の醍醐味 〜「学んだ事を 語り伝える」〜

第13回『心に咲く花』

人生の醍醐味 〜「学んだ事を 語り伝える」〜

樋野先生

昨日は、早稲田大学中野校 オープンカレッジでの 5回連続講座『がんと生きる哲学〜医師との対話を通して「がん」と生きる方法を考える〜』に赴いた(早稲田大学 エクステンションセンター に於いて)。

目標:がんと ともに暮らすことを知り、がん患者と対話し、がん患者に 寄りそう方法を 受講者自らがみつけ、笑顔になることを めざします。

講義概要:『がん哲学』とは、生きることの根源的な意味を 考えようとする患者と、がんの発生と成長に 哲学的な意味を見出そうとする医師との対話から 生まれました。病理学者としての立場から、科学としての癌学には 哲学的な考え方を 取り入れていく領域がある との立場に立ち『がん哲学』を提唱しています。日本人の半分が がんになる時代、好むと好まざるとにかかわらず、多くの人が がんと一緒に生きる方法を 見つけなければなりません。授業では 教科書の読みあわせと 解説をしつつ、受講者とのディスカッションを中心に 講義をすすめます。がんとともに生きている患者さん、がん患者の家族や身近に患者がいる人、医療従事者等のがん患者に 寄りそいたいと思うかた すべてが対象です。

テキスト:『がん哲学』(EDITEX)

と、案内・紹介されている。

今回は、受講者と、『「がん哲学」の気概 〜 ミクロの世界で マクロの世界を思う 〜』(ページ12,13)と『「天寿がん」の時代に向けて 〜 名詞の世界から形容詞の世界へ 〜』(ページ14,15)の箇所を輪読し、多数の質疑応答をしながら、楽しい・充実した、90分の時を過ごした。「学んだ事を 語り伝える」ことが、人生の醍醐味となろう。

今日は、今から、川越東武ホテルに於いて、埼玉医科大学総合医療センター 消化管・一般外科 教授 石田秀行先生の企画の 市民公開講座である(添付)。

市民公開講座 がん哲学 川越

第11回『一億本の向日葵』 ~ダイアローグ&笑子さん~

第11回『一億本の向日葵』

~ダイアローグ&笑子さん~

「Dialogue(ダイアローグ)」

この「対話」という意味の単語の響きが、何となく好きである。

「ダイアローグ」。この言葉を好きになるきっかけは、2年前に体験した『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』である。――――完全に光を遮断した空間の中へ、グループを組んで入り、暗闇のエキスパートである視覚障害者のアテンドにより、中を探検し、様々なシーンを体験する暗闇のソーシャルエンターテイメント――――1人で参加した私は、他の参加者の方と7名でグループを組み、秋の風景に彩られた暗闇の空間を体験した。夜の暗さとは比べものにならない程の暗闇。初対面の方々とグループを組んだわけだが、これほど誰かの「声」「助言」「体温」「気配」を求め、信頼し、完全に頼る経験は今までなかった。その時に誰よりも落ち着いて堂々と歩みを進めていたのは、小学3年生の男の子であった。大人たちは彼を頼りに恐々足を一歩また一歩と出していた。年齢や性別、職業、立場、その垣根を軽々と乗り越えて、対話し、助け合いながら、未知の世界を進んでいく。そんな体験であった。

年齢や性別、職業、立場、その垣根を軽々と乗り越えて、対話し、助け合いながら、未知の世界を進んでいく。

お互いの存在を尊び、対等な対話を重ね、共に学び、それぞれの道を歩んでいく。

「がん哲学」の中にはこの「ダイアローグ」がある。

それが大きな役割ではないかと思う。

がんと共に生きることは、ある意味で先が予測できない暗闇のように感じられる時もある。その暗闇の中には、見えないけれど道がいくつも用意されているのではないか。そしてそんな暗闇にも「~にもかかわらず宴会」のような楽しみもある。実は『ダイアログ・イン・ザ・ダーク』の中にもカフェがあり、ジュースやコーヒー、生ビールなども楽しめた。その味は格別で、とてもいい思い出となっている。

 

『笑子さん』

最近対話をした93歳の笑子さんは、歩幅の狭い足取りと丸くなった背中―――と身体の状態は年相応であるが、無邪気に笑い、ちょっとお下品な(笑)?冗談を飛ばすその姿は、まるでちょうちょのような可愛らしさで、私の目標とする人生の先輩である。笑子さんはいつも「私の馬鹿話に付き合わせてごめんね。」と仰るが、「笑子」さんの名前そのままに今を生きている姿にいつも感動を頂いている。たまに起こる心臓の痛みを「胸のトキメキ」と表現される笑子さんは、ユーモア学の師匠でもある。

ひまわり画像

ひまわり担当🌻斉藤智恵美

お知らせ

樋野興夫先生『楕円形のこころ~がん哲学エッセンス~』(春秋社)

出版記念講演会のお知らせ

出版記念講演会

「病気であっても病人ではない暮らしのために 病理医が贈る言葉の処方箋」

【入場無料】 定員:150名

どなたでもご参加頂けます。

日時:12月11日㈫ 19時~21時

場所:お茶の水クリスチャン・センター8階チャペル

お申し込み、お問い合わせは:春秋社

詳しくはこちらのチラシでご確認下さい→■【春秋社】『楕円形のこころ』 講演会ポスター

 

第12回『心に咲く花』 『日本メディカルヴィレッジ学会』&『日本地域医療連携システム学会』

第12回『心に咲く花』

『日本メディカルヴィレッジ学会』&『日本地域医療連携システム学会』

樋野先生

 

高松宮妃癌研究基金 第49回国際シンポジウム『がんゲノムの解読と編集』に出席した(パレスホテル東京に於いて)。がんプロフェッショナル養成 基盤推進プラン継続事業 平成30年度 連携大学ICT特別講義『医療の隙間を埋める がん哲学・がん哲学外来 〜 新渡戸稲造の基本精神 〜』(岩手医大に於いて)の機会が与えられた。また、順天堂大学医学研究科 大学院講義(英語)『発がん機構』を行った。英語の授業は、いつもとは違う、新鮮な 楽しい一時でもあった。

 

第1回『日本メディカルヴィレッジ学会・生涯活躍のまち』共催シンポジウム(奄美群島 伊仙町長 大久保明 大会長)(徳之島交流ひろば ほーらい館に於いて)に赴いた。多数の参加があり、大変 素晴らしい 歴史的な『日本メディカルヴィレッジ学会』となった。筆者は、本学会の理事長として基調講演『「がん患者と共に、その心のケアと哲学」〜 メディカルヴィレッジは徳之島だった〜』の時が与えられた。懇親会も、大盛況で、大変有意義な、出会いの場となった。https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181110-00000145-kyodonews-soci.view-000 第2回『日本メディカルヴィレッジ学会』は、来年 2019年10月19日長野県小諸市で開催されることが、決定されている。乞うご期待である。

11月11日(日)は、徳之島 ——> 鹿児島 ——> 羽田——> 鳥取——> 羽田と密な飛行機での旅の一日となった。鳥取では、 講演『あなたは そこにいるだけで 価値ある存在』の機会が 与えられた(鳥取教会に於いて)。講演後 質疑応答も 多数有り、大変 充実した時であった。来年2019年11月9日 筆者が、理事長を務める『日本地域医療連携システム学会』の第3回が、鳥取県看護協会主催で、鳥取で企画される。そのスタッフである、看護師の方も、今回の講演を聴講されていた。第2回は、今年 2018年12月24日の休日 東京女子医科大学八千代医療センターに於いて、開催される(添付プログラム)。大変、楽しみである。

「医療の隙間を埋める ケアと哲学」をテーマの基軸とした『日本メディカルヴィレッジ学会』&『日本地域医療連携システム学会』の時代的要請を 実感する日々でもある。

日本地域医療連携システム学会

第10回『一億本の向日葵』 ~意外な発想~

第10回『一億本の向日葵』

~意外な発想~        

チャウチャウ犬 

「心に咲く花会」が出来てからというもの、樋野先生の変化球に、私の頭は常にフル回転である(笑)。あまりに奇想天外で毎回仰天するのだが、発想というのはこういった形で拡がっていくのだと体感を持って学ばせて頂いている。今回の樋野先生のアイデアは、『東山動物園シンポジウム』。実現は難しいが、「動物たちの風貌から学ぶ」という新たな発想が私の頭に浮かんだ。私たちは動物たちの風貌から何を学べるだろう?

 

4年前の今頃は抗がん剤治療の真っ盛りで、心身共に大変な時期であった。その時のエピソードと今回の問いかけが私の中で繋がった気がした。その時の私を励ましていたのは、2歳になったばかりの息子の存在であった。言葉として表現するのはとても難しいのだけれど、それは私が存在することへの絶対的信頼で、私を失うことへの心配や不安を感じていないからこその励ましであった。知識や経験がある分、大人はそうはいかない。私自身も家族の不安を軽くする為に無意識に配慮していたと思う。ある未来を想像して不安や心配になる。私が逆の立場であっても抱くであろうその感情を理解できるがゆえに、お互いに苦しくなっていた。だけれどうちの家族には、もう一人私がいることが嬉しくて仕方ない存在がいた。それは愛犬の「ゴボ」。私の顔を見て、声を聞くだけで、ただただ「嬉しい!」そんな素直な表現がとても励みになった。

 

「動物の方があたりまえのことを、あたりまえにできているのかもしれません。」

樋野先生の著書『人生から期待される生き方』の一文。もう6歳になった息子には「動物と一緒にしないで」と怒られそうだけれど、あの時の動物的なまっすぐな表現「あなたがいることが嬉しい。」がどれだけ治療中の人の心を慰め、励ますだろう。動物だって、不安そうな顔や悲しそうな顔、怒った顔をする時はある。ただそれは未来に対してのことでなく、今起こっていることに対しての顔である。

「ただ今を生きている。」

「あなたの存在は私にとってとても重要で、大切。」

不安や心配の根本にあるこの思いを、動物たちのようにまっすぐに表現できたら、いいなあと思う。

風貌ではないが、私たちが動物たちから学ぶことは大きい。

 

来年の8月11日「山の日」に、「心に咲く花会」主催

『全国動物大集合シンポジウム~動物たちの風貌に学ぶ~』ぜひ開催したいと日々イメージを膨らませている。

私の担当は『ナマケモノ』です。

ナマケモノ

ひまわり担当🌻斉藤智恵美

日本メディカルビレッジ学会シンポジウム in 徳之島伊仙町

11月10日㈯に鹿児島県徳之島伊仙町で行われたシンポジウム。

『第1回日本メディカルヴィレッジ学会・生涯活躍のまち共催シンポジウムinISEN』

「一人の人間を癒すためには、一つの村が必要である。」

海に囲まれた徳之島。自然豊かな街で、メディカルヴィレッジが歩みを進めている。

『記事』https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181110-00000145-kyodonews-soci.view-000

「朝日がん大賞・日本対がん協会賞 受賞祝賀会を終えて」

「朝日がん大賞・日本対がん協会賞 受賞祝賀会を終えて」

名古屋祝賀会

ピンクの衣装を身にまとった、がんサバイバーフラダンスチーム「プルメリア」の優しい踊りで幕を開けた祝賀会。出席者は、「どあらっこ」らの活動を応援しようと80名程で東京、松本、大阪など遠方からも駆けつけて下さいました。

 プログラム】

*がんサバイバーによるフラダンス 「チーム プルメリア」

*国立がん研究センター名誉総長 堀田知光先生の開会のあいさつ

*くす玉セレモニー

*順天堂大学医学部病理・腫瘍学教授、一般社団法人がん哲学外来理事長

 樋野興夫先生 受賞記念講演

*「どあらっこ」受賞の喜びの言葉と活動報告

*参加者80名の中の代表者10名から祝辞

*どあらっこメンバーの小学6年生 「がん研究発表」

*「どあらっこの歌」完成披露・合唱 by青柳さん

名古屋プルメリア

くす玉②

さやかちゃん親子

わずか2時間の間に、内容盛りだくさんでしたが、愛の詰まった素晴らしい祝賀会になりました。あらためて「空っぽの器」さえ準備すれば、後は参加者の皆さんがそれぞれの愛を注いでくださって器はきらきらと輝きだすことを、実感し目の当たりにした一日でした。

チューリップ担当🌷彦田かな子

第11回『心に咲く花』 「人の役に立つと 思うときは 進んでやれ」 〜 脇見もせぬ 〜

第11回『心に咲く花』

「人の役に立つと 思うときは 進んでやれ」 〜 脇見もせぬ 〜

樋野先生

「朝日がん大賞・日本対がん協会賞」受賞祝賀会(名古屋市に於いて)に赴いた。国立がん研究センター 名誉総長 堀田知光先生の開会の言葉で始まった。今年の「日本対がん協会賞団体賞」受賞の高校生「どあらっこメンバー」の活動内容は、まさに、『それいけ!アンパンマン』の「ぼくらは ヒーロー」』、である。がん患者で、母親でもある「かな子」様を はじめ 7人のお母様による「キャンサー フラダンス 〜 チームプルメリアお祝いの舞」は、会場に大爆笑を誘った。まさに、『「ドラえもん」の「夢を かなえて ドラえもん」を彷彿した。小学生の「さやかちゃんの研究発表 〜 お母さんのがん 〜」の発表もされた。筆者は「朝日がん大賞 受賞」記念講演の機会が与えられた。本当に想い出となる貴重な時であった。筆者は新幹線で名古屋駅から、姫路駅に向かった。

姫路赤十字病院で、メッセンジャーナース兵庫主催の市民講座「あなたは、今日どう生きますか?」に招待された。『今日は お目にかかれて光栄でした。ユーモアを交えたお話、これまでに あまり耳にしたことのない 穏やかな語り、もっと聴いていたかったです。(You more?)』と、温かい、励ましのメールを頂いた。講演後、第15回南原繁シンポジウム(学士会に於いて)の出席の為、東京にトンボ帰りとなった。名古屋=>姫路=>東京と、今年の文化の日(2018年11月3日)は、富士山を見ながらの「3連ちゃん症候群」発症の日ともなった。

以前に教わった「新渡戸稲造は、国際連盟事務次長の時代、一時帰国して、多い日には、3〜4箇所をめぐり、講演していた」ことが 実体験として思い出された。「自分の力が 人の役に立つと 思うときは 進んでやれ」&「事に就きては 脇見もせぬこと 堅忍不抜の精神は 成就の要件」(新渡戸稲造)であろうか。

11月3日祝賀会

カフェ最新情報♪

11月17日㈯『あうんの家

☆午前10時半~12時「まなびば」

テーマ「和ヨガ~自分の体の労をねぎらう~」講師:金沢優子さん

☆午後2時~4時「かたりば」

参加費は午前のヨガは500円、午後は200円

場所:「あうんの家」軽井沢町追分521

担当者:荻原菜緒

11月24日㈯『松本がん哲学みずたまカフェ』

☆時間:午後1時半~3時半

☆場所:あがたの森文化会館2-4教室

☆参加費:200円

担当者:斉藤智恵美

チラシ→11月みずたまカフェ

12月1日(土)『佐久ひとときカフェ』

☆時間:午後2時~4時

☆場所:「うすだ健康館」佐久市臼田2175-1

(臼田健康活動サポートサンター)

☆テーマ『体のつぼは足裏に』

提供:ホットスペースノブ 代表 市川信子さん(リフレクソロジスト)

*ハンドベル演奏『がちゃべる』

ひとときカフェチラシ→2018.11.03カフェだより

第9回『一億本の向日葵』 ~がんと共に生きる②・ひまわり編~

第9回『一億本の向日葵』

~がんと共に生きる②・ひまわり編~

約8年前、私が自分のがんに出会う4年前、「フレンドシップ・キャンプ」というハンディギャップを持つお子さんとの2泊3日のキャンプに、ボランティアとして参加した。子どもたちとの食事作り、山登り、ゲーム、キャンプファイヤーはとても楽しく、あっという間に時間が過ぎた。自閉症の高校生の男の子を担当していた私は、彼とのつかず離れずの距離感が難しく、戸惑いながらも、彼の初めての体験に一緒にワクワクさせてもらった。慣れない寝袋、トラブルが起こった時にすぐ対応するための浅い眠り、お子さんをお預かりしているという緊張感もあり、3日目にはばてていた私は、その日の午前中に用意されていた「流しそうめん」の企画で、想像していなかった自分と出会った。それは、子どもたちを押しのけてでも、「食べたい」という強い衝動であった。実際に行動には移さなかったものの、私の中ではそんな自分がかなりの衝撃であった。その後たまたま読んだ本の中にこんな話があった——発展途上国の子どもたちへワクチンを届けるために集められた寄付金をその国へ届けた時、今にも息絶えてしまいそうなほどの飢餓状態の赤子を抱いた母親が目の前に現れた。母親も飢餓の状態であったことは間違いなかった。食糧を持っていなかったその人は辛うじてバックに入っていた飴玉一つを、その母親に手渡した。「きっと口の中で溶かした飴を口移しで赤子に与えてくれるだろう」そんな無意識の期待があったが、あっけなく母親のお腹の中に納まったという。「母性」という言葉で、軽々しくその母親を責めることなど出来ない。私はこのエピソードを読みながら、その母親に自分を重ねた。たかがキャンプ3日目で感じたあの強い衝動・・・私は極限の状態でどんな判断をし、行動を起こすことができるのか。

厳しい状況の中で、していく選択。とっていく行動。

それこそ本当の品性を育てる。

この体験は、私ががんと向き合い、がんと共に生きる時でも大いに役立った。がんと共にいきることは、死を意識しながら、ある種の緊張状態の中で生きるという意味で厳しい。その中で様々な選択をしていくことは、平穏な状態での選択よりも重みを持つ。樋野興夫先生が「人生の目的は品性の完成である」と伝え続けて下さっているように、がんと共にいきることは、まさに品性を完成させていくにはチャンスとも言える出来事なのではないか。がん哲学カフェの中で、参加された方の笑顔や涙に心を動かされるのも、心が慰められるのも、品性を完成させる過程をその方が丁寧に歩んでいるからである。涙をぬぐった後に見せた笑顔がどれほど周囲の人の心を温かくしているかは、その本人には伝わりにくい。本当に「そこにいるだけで価値のある存在」なのだと実感する。涙腺がゆるくなっている私は、誰かの『生きる』という瞬間に立ち会えた時、感動してすぐに目を腫らす・・・( ;∀;)

ひまわり担当・斉藤

佐久「がん哲学外来の歴史」~その5~

佐久「がん哲学外来の歴史」~その5~

2011年のお正月は第71回ピースボートクルーズ洋上で迎えた。1月3日にはタヒチのパペーテ港に上陸してあとは一路太平洋を航行して横浜港へ向かう頃のある日のこと、留守を預かってくれている従妹から「クアハウスでは何か大事なこと?が始まった様子です」というメールが飛び込んできた。「一体何が…」、従妹の短いメールでは何のことか全く見当がつかない。ピースボートは悪天候で予定よりも1日遅れ、横浜に帰港したのは2011年1月19日であった。

帰宅してすぐに「クアハウス佐久(健康工房SAKU)」に向かった。22日(土)の午後である。スタッフの片桐さんに留守を詫びると「第3回佐久がん哲学外来研修会&交流会はね、横浜がん哲学外来の方たち、地元の人たちも大勢来てくれたの。そしてね、そのあと、今年になってからいろいろあったのよ…」と。ピースボートクルーズで3ヶ月間、日本から居なくなっていた浦島太郎の私は、彼女の言う「がん哲学に関係してのあれこれ」の話はチンプンカンプンだった。

手元に当時の信濃毎日新聞(日付は2011年1月12日)の記事がある。写真入りで「佐久で『がん哲学外来』~医療関係者と家族が語る」の見出し、1月8日(土)の午後にクアハウス佐久で実施したとある。樋野先生が衝立の向こうで「がん哲学外来(相談者は3組で1時間ずつ」をされていてその手前ではこたつに座った8人が「学習会」を開いている様子である。第1回「若月俊一記念佐久メディカル・カフェ」の写真かと思ったのだが、そうではないらしい。

片桐さんに聞いたら、「22日にカフェを開いたのかしら。その前だったかも…、」と当時の日記を出して確かめてくれたものの、今一つ判然としない。いずれにしても「がん哲学外来メディカル・カフェ(現在の『佐久ひとときカフェ』はこの年の初め(2011年)の1月にスタートしたことだけは間違いない。片桐さんは続けて、「1月は『イギリス・マギーズハウスから学ぶこと』というテーマでやったから次回は星野先生に是非ともお願いしますね」と言うので3ヶ月も健康工房SAKUの活動を抜けていた私は嫌とも言えず、「がん哲学外来メディカルカフェとは一体何ぞや」とぼおっとしたまま、2月カフェの話題提供者を引き受けたのである。

2月26日(土)のメディカル・カフェ(配布したプリントには「若月俊一記念 佐久がん哲学外来 in MEDICAL CAFE」という名称)は、「キューバの医療~ピースボート地球一周報告」と題して、1月カフェに引き続き、「クアハウス佐久」で実施した。スタッフを入れて11名の参加があり、初回はたったひとり(のちにスタッフに加わってくれたYさん)だったと聞いていたから多数の出席者を前にキューバの医療について話せて良かった。口コミの宣伝が効いたのか、新聞報道の結果なのか。佐久病院からは北澤彰浩医師、上田からはがん患者さんがご夫妻で参加してくださったり熱気のあるカフェの展開となった。

続いて3月カフェには20名、4月からは信濃毎日新聞記者の小西和香さんも加わり、彼女はその後も何度かカフェに顔を出してくださった。

以下は当時の「がん哲学外来研修センターニュースレター」に掲載された「カフェ紹介」から。

若月俊一記念 佐久がん哲学外来in MEDICAL CAFÉ

がん哲学外来研修センター(クアハウス佐久)にて 

2011年

1月  イギリス・マギーズハウスから学ぶこと       発表者 片桐 孝子(佐久市)

2月  キューバの医療事情(ピースボート地球一周から)       星野 昭江(小諸市)

3月  緩和ケアって~佐久の医療者の取り組み~              山崎 智恵(佐久市)

4月  森林セラピー「平尾の森で元気になろう!」            小平 靖子(佐久市)

5月  お金をかけない健康法とは                                      三石芳子(佐久穂町)

6月  良い姿勢についてチェックしてみよう!                   小林 久子(佐久市)

7月  樋野興夫著「がん哲学外来」を読みあう                   小室 清子(佐久市)

8月  支えられてある「今」を生きる(抗がん剤治療)      弘津政明(軽井沢町)

9月  夏の疲れをとってリフレッシュしませんか!           湯浅 憲子(佐久市)

2011.01.12信濃毎日新聞

さくら担当🌸星野昭江

第10回『心に咲く花』 自発的に「個性を引き出す」〜「かえって、素人の外交官がよい」〜

第10回『心に咲く花』

自発的に「個性を引き出す」〜「かえって、素人の外交官がよい」〜

樋野先生

多様な新ニーズに対応する「がん専門医療人材(がんプロフェッショナル)養成プラン「平成30年度第2回未来がん医療プロフェッショナル養成プラン運営協議会シンポジウム」(東京医科大学に於いて)に出席する機会が与えられた。大変、有意義な時であった。「未来がん医療」のポイントは、下記であろう。

1}ゲノム医療の時代に向けた、がん組織を採取する人材の育成の急務

2}網羅的ゲノム解析で、Incidental finding に向けた、倫理教育の重要性

3}『Quality of Death』の時代に向けた、「対話学」カリキュラムの構築

「早稲田大学 エクステンションセンター」での講座『がんと生きる哲学』で、「がん哲学十ヵ条の誕生 〜 風貌と胆力 〜」(『がん哲学』EDITEX発行 108,109ページ)を朗読しながら、意見交換の充実した時を過ごした。その後、「第6回三鷹がん哲学外来カフェ」(相愛教会に於いて)での講演『がん哲学外来の理念 〜 病気であっても病人ではない 〜』に向かった。多数の参加者で感動した。

今日は『順天堂大学 保健看護学部 第17回公開講座;大学祭「順咲祭」と同時開催』(順天堂大学保健看護学部;静岡県三島市に於いて)で「わたしたちの未来を考える 〜 がんともに生きるいき方 〜」の講演に出向き、講演後は、『静岡県がん患者会「一歩一歩の会」の「こころのサロン」』に 招待されている。

「学よりも品性を磨け」・「今日から すぐ実行を」・「理想の実現は 遠い先にあらで、いつも手近にある。大事業も 今日の今より始まる。大思想も この時間に生まれんとしている。大決心の実行は 明日を待たぬ」・「信実と誠実となくしては、礼儀は 茶番であり芝居である」(新渡戸稲造)を肝に銘じ、日々実践の努力である。自発的に「個性を引き出す」には、「かえって、素人の外交官がよい」(新渡戸稲造)を実感する日々である。まさに『心に咲く花』である。

第8回『一億本の向日葵』 ~ことばは私たちを運んでいく~

第8回『一億本の向日葵』

~ことばは私たちを運んでいく~

 

10月27日㈯の午後、『落語会@松本がん哲学みずたまカフェ』(松本市庄内地区公民館)を開催した。昨年10月に引き続きNPO法人ホップ・ステップ・ハッピィの祝福亭福助さんこと、福原俊二郎さんをお招きして2回目となる『落語会』。ご参加下さった皆さまにも大変喜ばれ、松本がん哲学みずたまカフェの恒例行事となりそうで、とても嬉しく思っている。

カフェの前に福原さんと少しお話する時間を頂いた。福原さんのユーモア溢れる語りと人情溢れるお話で、時代的変化と言葉の力についてたくさんの事を感じさせて頂いた。特に歌手の植木等さんの歌に影響を受けたというお話は、福原さんのお人柄が感じられて、聞いている私もとてもワクワクした。

私は普段「ことば」を無意識に使っていることが多い。それでもみずたまカフェの時やこの『一億本の向日葵』を書いている時は、慎重になる。今回の祝福亭福助さんの落語のように丁寧に語られた「ことば」から、自然と頭の中に風景が描き出されるのを感じるときは、「ことば」の働きや力を改めて確認する。「ことば」は感情を伴えばなおのこと、より楽しくもしてくれれば、より悲しくもしてくれる。言葉に運ばれて想像が膨らみ、ワクワクする時もあれば、感動して涙が溢れることもある。誰かからかけられた言葉に元気付けられたり、逆に傷つけられたと感じたり、誰かにかける言葉を選び過ぎて言葉に詰まったり・・・コミュニケーションの中で使われる言葉に私はたくさんの影響を受けている。それに加えて、私が私に語りかける言葉(声に出ていないものも含めて)からもかなり多くの影響を受けている。何となく心が重く感じる時、ふと耳を澄ますと、私が私にかけている言葉はかなり手厳かったりする。こんな事を考えるようになったきっかけは10代の頃に、友達からかけられた言葉、「ちえみちゃんには、弱い人の気持ちはわからない」である。今でもこの言葉は私の胸をズキっとさせるが、その当時私がかけた言葉で傷ついた人がいたからこそ、出てきた言葉であり、樋野先生の「冷たい正論より、温かい配慮を。」というメッセージを体験を持って痛感する。そもそも多くの人は、自分が自分にかけている「ことば」で傷ついている。そこに誰かの「ことば」が追い打ちをかけてしまう。だからこそ、誰かにかける「ことば」と同様に、自分にかける「ことば」も丁寧に選びたい。

祝福亭福助さんの落語が心に響くのも、樋野先生の『ことばの処方箋』が心を揺さぶるのも、「ことば」の力を理解して丁寧に扱っていらっしゃるからなのだと実感した。本当に日々多くの学びを頂いていることに、喜びと感謝の気持ちが溢れてくる。

ひまわり🌻斉藤

【今週の樋野先生からの宿題】

『野の花はどうして育つのか?』

ひまわり🌻斉藤の答え→野山、そして自然はパズルのピースのように、必要なものが全て整っていて、一輪の野の花もあるがままそこに存在しているだけでひとつのピースとしての役割を果たしているからだと思います。

ヤフーニュースに掲載『小学校でのがん教育、予防知識より心構えが大事』

名古屋で開催されている日本初の子どもたちが立ち上げたがんカフェ『がん哲学外来メディカルカフェ どあらっこ』に参加したさやかちゃん(12歳)が、お母さんのがんをもっと知りたい「お母さんの応援団になる!」と夏休みの自由研究でがんについて30ページに及ぶ大作を書き上げたことを紹介。記事の中で、樋野先生も『がん教育』について語られています。

『小学校でのがん教育、予防知識より心構えが大事』

第9回『心に咲く花』 {変わり者 vs 変わり種}〜「種を蒔く人」・「成長する種」・「からし種」 〜

第9回『心に咲く花』         

{変わり者 vs 変わり種}〜「種を蒔く人」・「成長する種」・「からし種」 〜

樋野先生

『女性セブン』の11月1日号に大きな記事『ねえ、ママが がんになって わかったことが あるんだ』(46~52ページ)が掲載されていた。『心に咲く花』のメンバーである「彦田さん親子」の写真も記載されていた(50ページ)。大いに感動した。筆者の「がん教育」に関するコメントも掲載されていた(51ページ)。

今から、10年以上前であろうか? 朝日新聞の夕刊の1面に、筆者ことを、「変わり者 でなく、 変わり種 である。」との記事があったことが、今回、鮮明に甦って来た。{変わり者 vs 変わり種}の違いを、静思する時ともなった。「種を蒔く人」、「成長する種」、「からし種」の「たとえ」の復習である。種は成長する。小さなものが大きくなって実をつける。「水路のそばに植わった 木のようだ。時が来ると 実がなり、その葉は枯れない」and「忍耐が 練られた品性を生み出し、練られた品性が 希望を生み出す」の学びである。すべての始まりは「人材」であるを、痛感する日々でもある。まさに『心に咲く花』である。

女性セブン記事

第7回『一億本の向日葵』 ~変わり種、その可能性は未知数~

第7回『一億本の向日葵』

~変わり種、その可能性は未知数~

10月18日㈭~21日まで、パシフィコ横浜で行われた『第56回日本癌治療学会学術集会』に参加した。心に咲く花会のチューリップ担当である彦田かな子さんが、『私と私の家族のカフェとがん教育の活動報告』でポスター発表をされた。ここ数年作り手の技術も上がり、きれいに整った状態で印刷されたポスターが並ぶ中、カラフルでユーモアに溢れた手作り感たっぷりのポスターはすごい存在感を放っていて、まさに「変わり種」。彦田さんの元気溢れる底抜けな明るさや、火が付くほどの情熱もまさに「変わり種」であった!

ポスターの中で、家族(彦田さん、ご主人、16歳・13歳・8歳のお子さん)で取り組んだがん教育の様子が描かれている。「知る」+「思う」=「生きる」と大きく書かれていて、特に子供たちが積極的にお母さんである彦田さんのがんについて学び、今を生きる力に変えていることに『がん教育』の真髄を感じさせてもらった。そして彦田さんは力強く、何度も何度も「子どもをなめちゃいけない!大人なんかよりもすごいんだから!」と伝え、私を含め多くの人がそのパワーに引き込まれていた。

子どもであるとか、大人であるとかに関わらず、思いもよらない苦難に出会った時、

「知る」→正しい情報を得て、理解する

「思う」→それに対する自分の思い、価値観を確認する

「生きる」→道筋を見つけながら、今を生きる

は自分への信頼と、力を取り戻すきっかけを与えてくれる。がん教育は子どものためだけのものではなく、がんと共に生きる私たちにも必要であると改めて感じさせて頂いた。なぜ命を大事にするのかを考えた時に、どうして「わたし」という存在が大事なのだろうという問いと重なった。それは「出会う出来事」も「思うこと」もその人それぞれ違い、「あの花が好き」や「~な風に感じる」、「ピーマンが嫌い」など様々な要素を組み合わせたら、「わたし」という存在が唯一無二であるからだと思った。「あの時、あの言葉をあの人にかけた」自分の存在も、「あの時、私にあの言葉をかけてくれた」その人の存在も本当にかけがえのないものだと実感することが、私の生きる意味なのかもしれない―――。

 

彦田さんの落とした「変わり種」から、私の思考は飛んでいった―――(笑)

 

樋野先生から出されていた宿題「変わり者vs変わり種」その違いを述べよ!の私の答えは、「変わり者」はすでに完結していて、変化の可能性を持たない。「変わり種」は変化の可能性を無限大に含む。「変わり種、その可能性は未知数」。

智恵美写真

ひまわり担当:斉藤智恵美

樋野興夫先生が答える『女性向けWEBマガジンの人生相談』10月21日更新

樋野先生が講談社のウェブマガジン『mi-mollet 明日の私は、もっと楽しい』で読者からの人生相談にお答えしています♪https://mi-mollet.com/

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