第62回『一億本の向日葵』 ~ことばのシャワーを浴びる~

第62回『一億本の向日葵』

~ことばのシャワーを浴びる~

ことばには背景があります。私はことばの背景を感じるのが好きなのだと最近感じています。11月4日㈪に群馬県伊勢崎市絣の郷 円形交流多目的ホール で開催された 「支え合う」まちづくりがんサバイバーシップ支援事業 『伊勢崎がん哲学外来映画上映&講演会』の座談会に映画出演者としてお招き頂きました。私はお話をさせて頂く立場で参加させて頂きましたが、ドキュメンタリー映画『がんと生きる 言葉の処方箋』を鑑賞し、座談会で語られるお話、樋野先生のお話にもじっくりと耳を傾けられたとても大切な時間になりました。そんな時間を過ごしながら、ことばの重みは背景の濃さで違ってくるのだと改めて感じました。これで5回目となる映画の鑑賞ですが、今回、福井の塩田さん(肝臓がんで治療中)が居酒屋でご友人の方々と語らうシーンが大好きになりました。

「もうちょっと長生きしたいなあ。」目を輝かせてしみじみと話す塩田さんの姿。奥様との別れやがんの宣告、治療。そんな中でも塩田さんのその輝く目の奥にはどんな世界が映しだされているのか、とても心を惹かれました。「見てみたい・感じてみたい」そんな風に思いながら映画を鑑賞しました。伊勢崎市民病院外科診療部長の片山和久先生、患者さんの就労を支える社会労務士の萩原秀長さん、AYA世代のがん患者が集える場所G-AYA代表の佐藤友哉さん、今回の会を主催されたなごみカフェの塚本恵美子さんとご一緒させて頂いた座談会では、一人一人の方の出会いや経験に裏打ちされた背景を伴ったことばたちに溢れ、さり気なく差し出されたプレゼントのように、参加された方々に届いていたように感じました。そして、樋野先生のお話で締めくくられた今回の上映&講演会ですが、やはり樋野先生のことばは何度聴いても不思議だなと思います。聴いている人それぞれの背景と繋がる隙間があるような不思議な感覚です。それは樋野先生のことばとことばの間や、音などにも由来しているのかもしれませんが、そこにがん哲学の寛容さのようなものも感じました。

今週は水曜日にも樋野先生のお話をじっくり伺う機会に恵まれました。年明けの1月18日に東京の豊島区でドキュメンタリー映画『がんと生きる 言葉の処方箋』の上映会が開催されます(添付)。その日に参加が叶わない樋野先生が会場の皆さんに向けたビデオレターの撮影をするということで見学させて頂いていましたら、目白がん哲学外来カフェの代表森尚子さんから、突然ビデオレターのインタビュアーのご依頼が・・・。かなり戸惑いましたが、1対1で樋野先生とお話している気持ちでインタビューをさせて頂きました。「背中を押されている」という気持ちで歩まれてきたというがん哲学の道。経験という背景のあることばに心を動かされることも多いですが、樋野先生が語られるがん哲学の中では、ことばから行動が生まれ、経験、そして背景となっていくという逆の流れを感じました。私たちは日々どれだけのことばに接しているか分かりませんが、その中でも誰かの心の支えになるようなことばや、個性(心に咲く花)を引き出すことばに触れる機会に恵まれることで、何年か後に私たちのことばの背景になる経験はより豊かになるのではないかなと思います。

同日の夜には虎ノ門にあるラジオNIKKEIで樋野先生のラジオ収録がありました。毎回笑いが溢れるスタジオでは、やはりたくさんのすてきな言葉に出会います。アナウンサーの大橋とき子さんの美しい声やことばの使い方にも毎回学びを頂いています。今週はそんなことばのシャワーを浴びた豊なひとときでした。放送は11月22日㈮11:35~とのこと。ぜひラジオを通して、ことばの処方箋のシャワーが皆さまに届きますように。 

ひまわり担当🌻齋藤智恵美

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