第71回『一億本の向日葵』~教室の机でいのちを考える~

第71回『一億本の向日葵』

~教室の机でいのちを考える~

今後、学校の教育現場で子供たちががんについて学ぶ“がん教育”が始まっていきます。現在は試験的にパイロット校での授業が行われている段階の地域が多いのですが、2人に1人ががんになる時代の今、子供の頃からがんという病についての正しい知識を学び、がん患者さんとの共生を考える機会の重要性が国から示され、段階的に小、中、高の学校で導入されていきます。

来月の2月には樋野先生によるがん教育の本『がん哲学のレッスン〈教室でいのちと向きあう〉』が発売されます(添付)。顕微鏡を通してがん細胞と向き合い続け、患者さんやご家族と対話や交流を重ねられてきた樋野先生が子供たちに伝えたいことはどのようなことなのでしょう。私も発売を心待ちにしております!昨日、昨年の長野県のがん教育パイロット校(小学校)を担当された先生とお話する機会がありました。一昨年の長野県がん教育研修会での発表時に初めてお見掛けしたのですが、想いを込めてお話しされている姿がとても印象的な先生でした。「齋藤さんたちは、なぜそんなにがん教育に一生懸命になって下さるんですか?」お茶を飲みながら、ふと先生から投げかけられた質問に、私はがん教育の可能性を見た気がしました。どんなにがん教育が進んでも、またどんなに願っても、すべての子供たちが将来がんにならないとは限りません。授業をしている先生や子供たちの親も、がんになる可能性は決してゼロではありません。そう考えた時に、がんを前にして、命を前にして、私たちはみんな平等だなと思うのです。私はなぜ生きているのか、私の価値は?というような哲学的な問い、スピリチュアルペインのような問いを、自分の命や誰かの命のことを教室の机の上に置いた時、答えを持ち合わせている人は誰もいません。だからこそ誰もが先生、誰もが生徒になり得るのです。年齢に関係なく、私たちには感じる力、考える力が備わっています。自分の命について、誰かの命について、自分の頭で感じ、考えることは、その人のしっかりとした幹を育てるのだと思います。樋野先生がお話しされる「曖昧なことは曖昧に考えるのが科学」や「わからない」という返答に愛が存在する、そのような答え合わせのできない問いが学校内にあることも大切ではないかと思うのです。

樋野先生がお声をかけて下さり、新刊に私の体験談を書かせて頂きました。名古屋のシャチホコ記念メディカルカフェの彦田加かな子さんとご長男の英和さんも体験談を書かれています!自分の体験を振り返り、それが誰かのもとに届くというとても貴重な経験の機会を下さった樋野先生に心から感謝しております。春から初夏の間に、長野県の松本で出版記念講演会&交流会を企画したいと思います。詳細が決まりましたら、ご案内させて頂きます。奮ってご参加くださいませ!

ひまわり担当🌻齋藤智恵美

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