第79回『一億本の向日葵』~こんなときこそ小さな喜びを集めて~

第79回『一億本の向日葵』

~こんなときこそ小さな喜びを集めて~

 ふとご近所さんのお庭で福寿草が咲いているのを見かけました。強い風が吹く日もあって、春が足音を立てながら、近付いてきているのを感じます。そんな浮足立つ気持ちはありつつも、世間はとても慎重に、慎重に、日々を営んでいます。各地で予定されていたメディカルカフェも中止を余儀なくされていますので、きっと一人の時間や限られた人との時間が、否応なしに多くの方に届けられているのではないでしょうか。

そのようなことを想像していましたら、樋野先生の言葉の処方箋が浮かんできました。

「いばらの道、されど宴会」

「小さなことに大きな愛を込める」

今がいばらの道だとしたら、宴会は何だろう?大きな愛を込めることができて、私にもできる小さなことはどんなこと?それらを自分に問いかける前に、私はこの週末に、母に布マスク頼まれていることを思い出しました。初めて作るので、インターネットで型紙を探して、作り方を調べることから始めました。残っていたガーゼに生地をうまく組み合わせながら、作り上げてく作業は予想外に楽しい時間でした。一つ一つミシンで縫って、アイロンをかける。「これで病原菌は近づけない」と呪文のように心で唱えながら。細かなことに集中する時間は、それだけで頭と心が休まりました。「小さなことに大きな愛を込める」というのは、誰かの為のようでいて、実はその時の自分の時間に集中し、自分に、その行為に、愛を込めているのだと、改めて言葉の真意を知る機会にもなりました。

そして、この『一億本の向日葵』を書き始めるまで気が付きませんでしたが、私はたっぷりと宴会の時間を作っていました。それは、音楽です。私は同じ曲を何度も何度も嫌になるほどリピートしながら、イヤフォンで聴くのが大好きで、誰にも邪魔されない何とも楽しく気持ちのいい宴会の時間でした。一日中家の中にいると大したことはできないかもしれませんが、自分を安心や喜びへ導くものがちゃんとあることを再確認しました。コロナウィルスが混乱や不安を招いたとしても、どう頑張っても、こういったささやかな喜びまでは脅かせません。それはいつもすぐそばにあるのだから。

ひまわり&ぱんだ担当🌻齋藤智恵美

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