第84回『一億本の向日葵』~季節は巡る~

第84回『一億本の向日葵』

~季節は巡る~

4月6日は息子の小学校の始業式でした。時間短縮ではあったものの、久々にお友達と会えることに喜びながら張り切って歩いて行った息子。昨年のこの日、息子は、いろいろな不安や期待を抱えながら、かわいい子供用スーツに身を包んでいたことを思い出しました。当たり前のように進んでいた毎日と、巡った季節が、再び長期休校となった子供の姿を見ながら、夢のようだなと思いました。今、私の住む松本は桜が満開です。我が家から50メートルも出れば、薄川沿いの長い桜の並木道です。桜と言えば、“美しさ”と“儚さ”の象徴のような花ですが、大病を患い残りのいのちの時間を想うときに、「来年の桜はみれるかな」と想いを馳せる方もいらっしゃると思います。例年に比べたら、ひと気の少ない並木道を息子と手を繋いで歩きながら、私は生まれて初めて、桜の花の香りに導かれて、花に自分の鼻を近づけました。柔らかなとても優しく甘い香りに私はうっとりしましたが、息子は「桜もちのにおい。でも桜もちはあんこが入ってるからきらい。中がチョコならいいのにー」って何とも子供らしい感想を言っていました。今年の桜は、きっと今まで以上に、そして多くの方にとって特別なものになったんだろうと思います。少なくとも私にとっては、今までの人生の中で一番印象に残る桜になりました。

日常生活が一時停止の状態が続き、自分や家族、身近な人のちょっとした体調の変化にも敏感になる日々。今まで目に留めることがなかったものや、考えることのなかった事柄、自分の仕事やこれからの生き方。そういったものについて、関心や想いを寄せる意味が、今この時間にはあります。今まではがんなどの大病、人生を大きく変え得る何かを経験した限られた人が一人孤独の中で向き合っていたそれらのことが、全国民の共通の関心事になりました。それは、この社会がやさしく、かけがえのない、温かな時間を取り戻していく大きなきっかけになるのではないかと思います。でも今は、コロナウィルスに感染された方の回復と、感染の抑制を願います。

ひまわり&パンダ担当🌻齋藤智恵美

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です