第116回「心に咲く花会」『未来に生きる君たちに』〜「人生の特別ゼミナール」〜

第116回「心に咲く花会」

『未来に生きる君たちに』〜「人生の特別ゼミナール」〜

長野県大町市にある青木湖(「青木湖学問所」)に、お住まいの南原実 先生(東京大学教養学部 名誉教授)の娘さまより、『南原実回想文集』が届いた。  筆者は、「南原実 先生との出会い」で、寄稿させて頂いた。  南原実 先生  (1930年11月12日〜2013年11月12日) が逝去され、7年が過ぎた。  「南原実 先生の父」は、東京大学総長を務めた「南原繁(1889-1974)」である。  「青樹簗一」の名で、アメリカの海洋生物学者:レイチェル・カーソ(Rachel Carson 1907-1964)の『沈黙の春(Silent Spring)』(1962年)を翻訳された(1974年)。

以前、地球規模保健課題推進研究事業(国際医学協力研究事業)の「環境ゲノミックス・疾病専門部会」に参加する機会が与えられた。  放射線、アスベスト、粉塵などの「環境発がん」について静思する時であった。  「環境問題のバイブル」と言われる、レイチェル・カーソの『沈黙の春(Silent Spring)』を翻訳された「南原実 先生 との出会い」は、「南原繁没30周年記念事業」でスタートした「南原繁研究会」(2004年) 以来、毎年、wifeと一緒にお逢いして、夕食をしながら、親しい深い学びの時が与えられた。 「見識が広く」、「見識の高い方」であり、まさに、筆者にとっては『未来に生きる君たちに』(南原実 著)の貴重な得難い「人生の特別ゼミナール」の時間であった。  『沈黙の春』の最終章「べつの道」の「私たちは、いまや分れ道にいる。」、「どちらの道をとるか、きめなければならないのは私たちなのだ。」は、『がん哲学外来』の原点にもなった。

「南原実 先生」は、東京と長野、秋田にも、それぞれ居を構えておられた。  「南原実 先生」の肝いりで、秋田にて「メディカルタウンのミニシンポジウム」を開催された。  秋田県の北秋田市の阿仁公民館で「これからの医療を考える―がんになってもがんで死なない」シンポジウムに招かれた。  地元の特性をどう活かしていくか、まさに「地方(ぢかた)学」の実践である。  筆者は『がん哲学外来』のタイトルで講演の機会を与えられた。  会場は満員の盛況であった。  忘れ得ぬ人生の良き想い出である。  「時の流れ」を感ずる今日この頃である。  いつか、長野県の『心に咲く花会』の皆様と青木湖を訪問したいものである。